『ダブル・ファンタジー』
読んだ本。
恋愛小説が読みたいなーという気分に。
映像化されたものに田中圭さんが出てるって話からタイトルだけ聞いたことがあったこちらをKindle版にて購入。
どえらい不倫物でした。
ここでも昔書いたことがあるのですが、わたしは今まで不倫にたいしてダメ! ちょっと受け入れられない!って価値観で生きてきました。
でも、これは読めた。
今まで、不倫した人(創作も含めて)が「これは男と女、しょうがないこと。私だけじゃない。みんなしてる」みたいな開き直りが見える気がしていたから、それが気に入らなかったのかな。
この作品の主人公・奈津はどえらい不倫を繰り広げるんですが、やってることの大胆さに反して、
「自分は何かがおかしい、夫にも申し訳ない」
とどこか後ろめたさの表現が消えていかない。
夫もいろんな理由で受け入れているから、被害者?がいる描写がない。
不倫そのものをする気持ちは分からないけれど、共感できる部分がいくつもあって。
それがどこかを話すとすごく自分の中を覗かれるような気になるから話せない、そんな不思議な気持ちになった。なんでそれを人に知られたらいけないのかも説明できないくらい、繊細な部分。
わかるんだけど、わかる!って大きな声で言ったらいけないような。それを奈津もわかってるから後ろめたそうに生きてる、そんな感じ。
奈津の気持ちの発露が不倫という形になっただけで、不倫の理由として、言い訳としては描かれていないので、余計なことを考えずに共感できました。
わたしだって、もしかしたら、不倫という形ではなくても。奈津になるかもしれない。
珍しく、一気読みしました。
最近は集中力の衰えでしょうか、なかなか一気読みする気分にならないのですがこれはそれだけの力がある小説でした。
村山由佳さんの作品は中学生くらいのころ初めて読みました。
けれど、あの頃はまだ恋愛なんて知ってるつもりで何にもわかってなかった(今だってそうですけど!)ので、よく分からなくて読むのをやめてしまった記憶。
今回初めて読みきってみて、他の作品も読んでみたくなりました。
おすすめあったら教えてください。
上下巻の合本あるの、気づくのが遅かった!
Kindleで読むならこっちがよかった。