行ってこぉわい。
『西の魔女が死んだ』という小説にの中に
死んだ身内が、あの世へ行く前に会いに来てくれたという描写があります。
母親が何の話の流れか
「死んだ時って成仏する前に知らせられたりするんかな」
と言って来たので
その本に書いてあったことを話して、
「お母さんの方が先死ぬだろうし、もし死んだらこの世のお別れの前に会いに来てみてよ。窓叩いたりするだけでいいからさ」
と冗談で言ってみました。
母親は「えー、そんなんできるかなぁ。まあ出来そうだったらやってみるわ」
と笑ってたんですけど、そんな話はもうすっかりわすれていたわけです。
多分二十歳なりたてかそこらの時だったので、5年は前のこと。
実際、去年母が亡くなったわけですが、その四十九日の前夜にすごい小声、でもめちゃくちゃ耳元で2回、名前を呼ばれたんです。
あんまりにもはっきり聞こえすぎて「はい」って思わず返事したくらい。なんでかはっきり家族の声だっていう安心感はあったから、「あっ、寝坊したから起こされてるんや!」と思って飛び起きたら家の中真っ暗で、時計見たら午前2時くらいだった。全然寝坊じゃない。あれー?
夢かな?と思ったけどあまりにもはっきりしすぎてたので気になって翌日、祖父母に「昨日私を呼んで起こそうとした?」って聞いてみましたが、「いや、朝まで起こしてないよ」と言われました。
父親にも同じことを聞いたら、「いいや。お母さんやろ」。
そこで初めて、あー確かにお母さんの声だったわ!と納得しました。
ま、正直寝てた時のことだから夢なんでしょうけどね。
ただ、仏教でいうと四十九日がこの世から旅立つ日っていうのも意識してなかったし(ただの親戚の集まりくらいの感覚だったw)、母と「会いに来てね」と話をしていたこともすっからからんにわすれてて、そんなことがあった後にしばらくしてから思い出したくらいだった。
だから、あれはお母さんが挨拶に来てくれたんだなと思っています。ぴったりすぎるもん。四十九日の意味と、お母さんとの約束が。
お母さん、あの話を覚えてたんやーとびっくりした。
そして、あれ以来、母のことを夢に見たことは一切ありません。もちろん、幽霊のような状態で見たことも。
もうこの世に未練なく旅立って、無事お浄土について楽しく暮らしてるのかなと想像しています。
もし帰ってこれるなら、私の結婚式とか子ども産まれた時に帰って来てねっていうのは忘れたな。まあ、来る気がします。透析日の心配もないことだし。
***
タイトルは、今治弁で「行って来ます」。