日記読んでごめんね、とも思う。
母が亡くなってから、遺品の整理をちょこちょこしています。
その中で、母親の日記が出て来ました。とはいえ、ほとんど真っ白。最初の方の2日ぐらいしか書いてなくて、「おっ、遺伝子!(私もそのタイプ)」と笑っていたのですが、途中、1日だけ書かれている日がありました。
それは、私の大学の入学式の日。
その日、母親が出席してくれる予定だったのですが、泊まりがけで来るのに、母の持病で必ず使わなければいけない薬を忘れて来たのです。入学式の中で、私が目立つような特別な何かがあるわけでもないので、入学式はいいからと近くの病院に行って処方してもらうことに。
入学式は本当にただの「式」で、全くもって親がいる必要もなくあっさり終わったので私も忘れていたのですが、母の日記には
「せっかく行ったのに、透析日をずらしてもらってまで行ったのに、何をしてるんだろう。こんな病気に生まれたことが心底情けなくなる」
と書かれていました。
母の病気は、生活習慣に関係なく発病するとされている、自己免疫疾患の「I型糖尿病」でした。
糖尿病の透析患者を「自業自得」とのたまったアナウンサーの方がいらっしゃいますけど、それでなぞらえるなら、自分はそんなに悪くないのに、という気分でこの病気と日々過ごしてきたと思います。
そんな母が「こんな病気のせいで」と辛くて、その日だけ日記を書いたのかな、と思うとちょっとかわいそうになりました。
でも、この場合、単純に大事なお薬忘れなきゃよかったわけで、その辺はただの母のうっかりさんが原因です。だから次の瞬間にはまた笑いましたし、私もそういううっかりばかりの中で生きてます。
お母さんは私の中にいる。やなとこばっか似ちゃって、本当にもう。